お肌の潤いと土台が整ってくると、物語はいよいよ「耐久性」を求めるフェーズへと移ります。
ここで繰り広げられるのは、異なる性質を持つコラーゲン同士の見事なリレー。
ただ「穴を埋める」だけだった状態からどんな動きにも負けない「丈夫なお肌」へと
素材そのものがアップグレードされていく瞬間です。
1. 最初は優しくしなやかに。
修復が始まったばかりの頃、お肌がまず用意するのは「Ⅲ型(さんがた)コラーゲン」という素材です。
これは赤ちゃんの肌にたっぷり含まれていることから、別名「ベビーコラーゲン」とも呼ばれます。
最大の特徴は、とても細くて柔らかく、そして「とにかく素早く駆けつけてくれる」こと。
例えるなら「急いで道を通すために、まずはしなやかな『細いワイヤー』で橋を架けている状態」
緊急事態において、このベビーコラーゲンが縦横無尽に駆け巡り、お肌の隙間をふんわりとかつ柔軟に繋ぎ止めてくれるのです。
2. そして、凛とした強さへ
傷口が落ち着いてくると、次なる主役「Ⅰ型(いちがた)コラーゲン」が登場します。
これはいわゆる「大人の肌」を支える主役で、太くて非常に丈夫、引っ張る力にもびくともしない強靭さを持っています。
あなたの中に住む建築家たちは、先ほど張ったばかりのベビーコラーゲンのワイヤーを道しるべにしながら
その上から、この凛とした強さを持つⅠ型コラーゲンを丁寧に編み込んでいきます。
いわば「仮設の橋を、どっしりと頼もしい『本物の橋』へと架け替えていく作業」です。
3. 「しなやかさ」から「強さ」への進化
このバトンタッチが行われることで、お肌はただ塞がっているだけの状態から
笑ったり、背伸びをしたりといった、日常のどんな動きにも耐えられる本物の皮膚へと進化していきます。
「最初は柔らかかった傷跡が、いつのまにかしっかりした手触りになってきた」 もしそう感じたなら
それはあなたの中の建築家たちが「素材を最高級のものにアップグレードしたよ!」という、誇らしげな完了報告のサインなんです。

「早く元通りの肌になりたい」と願うとき、身体の中ではこれほどまでに慎重な「素材選び」が行われています。
まずは柔軟な素材で土台を整え、それから一生モノの強い素材で仕上げる。
この二段構えのステップがあるからこそ私たちは再び、お肌を自由に、思いきり動かせるようになるのです。
次は、お肌の「根性」が決まる、驚異の結びつきのお話です。
次回、第7章。 ほどけない絆を編み上げる「インナーサポーター」の物語。
どうぞお楽しみに







この記事へのコメントはありません。