方相氏が節分の鬼へと変貌していく、あまりに切ない転落劇

こんにちは
今回で最後になります節分と豆まきについてのお話しです。
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方相氏(ほうそうし)が「節分の鬼」へと変貌していく、あまりに切ない転落劇

ここを知ると、現代の「鬼は外」という掛け声が、全く違った響きに聞こえるはずです~

1. ヒーローから「不吉の象徴」への転落

もともと方相氏は、天皇の身を守り、疫病を退散させる「聖なる守護者」でした。金色の四つ目で四方を睨み、悪鬼を震え上がらせる存在だったのです。 しかし、平安時代も中期を過ぎると、人々の感覚に変化が起きます。
・「怖すぎる」という恐怖: 鬼を払うために鬼の格好をしていたはずが、人々は次第に「あんなに恐ろしい姿をしているのだから、あいつ自身が鬼なのではないか?」と疑い始めました。
視覚の逆転: ミイラ取りがミイラになるように、魔を払うはずの異形の姿が、そのまま「恐怖の対象」へとすり替わってしまったのです。

2.権力者に利用された「厄(やく)の押し付け」

中世に入ると、方相氏の扱いはさらに悲惨なものになります。 追儺の儀式が終わったあと、方相氏は「都の汚れをすべて吸い取った存在」と見なされました。すると、どうなるか。

石を投げられる守護者: 儀式が終わるやいなや、群衆や下級役人たちは**「汚れを遠くに持っていけ!」**と、方相氏に向かって一斉に石を投げ、棒で叩き、都の外へと追い立てるようになったのです。
「鬼」への改名: かつては鬼を追う側だった者が、いつの間にか**「追われる側」**へと固定されました。これこそが、現代の「豆をぶつけられて逃げる鬼」の原型です。私たちが豆をぶつけているのは、実はかつての守護神だったのです。

3. 「黄金の四つ目」が隠された理由

初期の方相氏の面には、黄金の目が4つありました。これは、あらゆる方向(東西南北)から来る災いを見逃さないためです。 しかし、今の私たちが想像する「鬼」はどうでしょうか? 目は2つ、あるいは中心に1つです。

なぜ目が減ったのか。それは、「人間に都合のいい弱点を作ったから」という説があります。 四つの目であらゆる真実を見抜く存在は、後ろ暗い権力者にとって都合が悪かった。だから、彼を「角が生えた愚かな怪物(2つの目の鬼)」へと矮小化し、豆で追い払える程度の存在にまで貶めたのです。

「私たちが節分に『鬼は外!』と豆を投げている相手。それは、かつて命懸けで私たちを病から守ってくれた守護神の、成れの果てかもしれません。

誰かを『悪』と決めつけ、汚れを押し付けて追い出すことで、自分たちの平穏を守る。節分という行事の底に流れているのは、そんな人間の少し残酷な本能なのかもしれないですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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